昭和44年11月21日 夜の御理解
中村良一
今朝の御祈念の後に、北野の中村さんが、新しい御神米入れを出されて、先生、ここに何か一筆書いてくださいと言うんです。それで私、その神前に、熊谷さんのお届けになった事を、ここに書き止めておりましたから、それを書いてやりました。本当に私は、熊谷さんから、その事を聞かせて頂きながら、本当に、これは素晴らしいことだなぁと、私は思うたんです。それはあの、昨日が、あちらの共励会でございましたから、その共励をなさっておられるうちに思われた事。共励をなさっておられるうちに気付かれた事なんです。それは、今まで、例えば、信心のない人達にお話をする時は、やっぱり、信心の話しを分かってもらおうと。自分の言うておる事が、本当だと思っておるから、それをその、分かってもらおうと、こう思うて言う。そういう様なその、自分の思うておる事が、本当だから。確かに本当かも知れない。けども、自分の言うておる事が本当だと。だから、それを分からせようという事は、大変、まぁ難しいことであると同時に、間違ったことだと。そこでその、相手の方が、助かられる事のために、ものは言おうと、こう思うたというふうな事を言うておられる。私は、これを聞かせて頂いてですね。確かに、相手の方が、助かられることの為に言わにゃいけん。そん時に、例えば、分からなくてもですね。必ず、それが、助かることのための、何かになるだろうと、私は思わせて頂いたんです。ですから、私、その事をね、まぁ、相手が助かることのために、ものを言えという様な事を書いたんです。
そしたら、中村さんが言われる。先生、実は、それとは反対な事でございますけれども、昨日、こういう事があったと言うて話されるんです。昨日はあなた、初美、初美と言うのが、娘さんですね。あそこは養子を取ってあるから、その初美が申しますことが、もう実にその、親に向かって、何という事を言うかという様な事を言う。今までの私なら、それを、そんな風に言うたでしょうけれども。はぁこりゃ、待て待てと思うてから、あれは初美が言いよるとじゃない。神様が言いござるとと思うたら、ほんなこて、初美さん、そうじゃったのち、平気で言えましたと言う。そしたら、初美も、それっきり、何とも申しませんでしたが。あれが、普通の私でしたら、そら初美さん、こうじゃないかと。あんたが、そげん言うたってと、親子喧嘩になりかねないところを、あの、神様の言葉と言うか、娘が言いよるとじゃない。神様が言いござると思うたら、自分と言うものを、その度にですね。それを、自分の心を、深くこう頂かせて頂いたら、確かに、初美が言うようなものが、内容には、確かにあったという訳なんです。私共は、ここんところを、本当にあの、信心させていただく者は、あれが言いよるとじゃあない、神様が言いござるとだという頂き方。同時に今度は、反対に言う時にはです。自分のことが、よし、本当であっても、ね。自分のことは本当であるから、間違いないから、こう分かれと言うのではなくて、相手が助かれるために言う。言う時には、そういう気持ちで言う。受ける時には、只今、中村さんが受けたような思いで言う。中村さんは、そんな私は、ここに今、あなたが書かせていただいた、この事だと、あんたが昨日、体験したことが、裏と表のようなものなんだから。この生き方で行きさえすりゃ、間違いないなと言うて話したことです。何と素晴らしいことですね。またそれが、本当に、そうなのですから。相手が助かられることの為に、ものは言うんだと。分からせるために言うのじゃない。相手が助かられることの為に、ものを言う。
例えば、その時は、分からなくても、必ず、それならおかげを受けるだろう。同時に今度は、聞く時には、ね。それを神の言葉として、神様が、私に、言うて聞かせござると思うて頂いたら、有難いことになって来るだろうと言うて、中村さんに申しましたことです。お互いが、分かっておるようであって、実際は、あの人がこう言うたという事になっておるのであり、私の言うのが本当だと。こうだから、こうと言うて聞かせるような言い方ではいけない。相手の人が、助かることの為に、ものは言わなければならない。ね。誰かの句にございましたですね。物言えば、唇さみし秋の風。ね。もう本当に、どんなに、諄々と言うて聞かせてもです。本当な事を言うて聞かせてもです。相手がそれを、受け入れない時にはですね。はぁ、また言うてしもうた。何にもならない事をと言うような意味じゃないでしょうかね。言うて聞かせて、本当のことを言うて聞かせて、反対に、淋しい思いをしなければならない。ね。ではなくてです。相手が、助かることの為に、もし、言うのであるならばです。それは、跳ね返ってきてもです。そん時に、いう事を聞かなくってもです。これは、必ず、最後的には、おかげになるんだと確信できるから、物言わせて頂くことも、また、有難いことになって来るんじゃないでしょうかね。どうぞ。